値引き・返品と返還インボイス(1万円未満は交付不要)
振込手数料を差し引かれたときなど、税込1万円未満の値引き・返品には返還インボイスの交付義務がありません。少額特例の1万円とは立場も判定単位も違う別の制度です。
返還インボイス(適格返還請求書)
税込1万円未満なら
交付しなくてよい
値引き・返品・割戻しで売上金額を返したり債権を減額したとき、 本来は返還インボイスの交付義務がありますが、 税込1万円未満なら免除されます[1]。 振込手数料を差し引かれるケースがこれに当たります。
条文の言葉
売上げに係る対価の返還等に係る税込価額が1万円未満である場合には、その適格返還請求書の交付義務が免除されます(消法 57 の4③、消令 70 の9③二)。 国税庁 インボイスQ&A[1]
ここでいう「売上げに係る対価の返還等」とは、事業者の行った課税資産の譲渡等に関し、返品を受け又は値引き若しくは割戻しをしたことにより、売上金額の全部若しくは一部の返還又は当該売上げに係る売掛金等の債権の額の全部若しくは一部の減額を行うことをいいます(消法38①)。 振込手数料相当額を差し引かれた分もこれに含まれます。
★ 少額特例の1万円とは別の制度です
どちらも「税込1万円未満」ですが、立場が逆です。混同すると、 自分が出すべき書類と、相手からもらうべき書類を取り違えます。
| 返還インボイスの1万円 | 少額特例の1万円 | |
|---|---|---|
| 誰の話か | 発行側(売手) | 受領側(買手) |
| 何が免除されるか | 返還インボイスの交付義務 | インボイスの保存(帳簿のみで控除可) |
| 対象 | 値引き・返品・割戻しによる返還や債権の減額 | 課税仕入れ |
| 判定の単位 | 請求や債権の単位ごとに減額した金額 | 一回の取引の課税仕入れの金額 |
| 使える人の条件 | なし(誰でも) | 基準期間の課税売上高1億円以下 等 |
| 終わる日 | 期限なし(恒久) | 2029年9月30日 |
とくに「使える人の条件」と「終わる日」が違う点に注意してください。 返還インボイスの免除は誰でも使え、期限もありません。 一方少額特例は規模の条件があり、2029年9月30日で終わります。
判定の単位
返還した金額や値引き等の対象となる請求や債権の単位ごとに減額した金額で判定します(基通1-8-17)[1]。 一定期間の値引きを合計して判定するのではありません。
登録前の売上についての返品
適格請求書発行事業者の登録を受ける前に行った課税資産の譲渡等について、 登録を受けた以後に売上げに係る対価の返還等を行う場合には、 返還インボイスの交付義務はありません(基通1-8-18)[1]。 金額にかかわらず不要です。
よくある質問
振込手数料を差し引かれて入金されました。返還インボイスは要りますか。
少額特例の1万円と同じものですか。
1万円未満かどうかはどう数えますか。
登録前の売上について、登録後に返品を受けた場合は。
関連ページ
出典
本ページの数値はすべて以下の一次資料から取っています。リンクは該当ページに直接飛びます。
- 国税庁「インボイスQ&A Ⅲ-1 総論(適格返還請求書の交付義務免除・問28 ほか)」
当サイト確認日:2026-09-16 - 国税庁「少額特例(一定規模以下の事業者に対する事務負担の軽減措置)の概要」
当サイト確認日:2026-09-16
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法令基準日:2026年9月16日 ― 本ページが参照した官公庁資料を当サイトが最後に確認した日です。 以後の法令改正・資料改訂は反映されていない可能性があります。