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1万円未満なら経過措置を考えなくてよい(少額特例)

基準期間の課税売上高が1億円以下なら、税込1万円未満の課税仕入れは相手が免税事業者でもインボイスなしで全額控除できます。ただし2029年9月30日で終わります。

条件を満たす小規模事業者なら

税込1万円未満は
相手が免税事業者でも全額控除

経過措置の80%や70%を考える必要がありません。 ただし2029年9月30日で終わります。その翌日から、同じ取引が 50%に落ちます[1]

国税庁の説明

少額(税込1万円未満)の課税仕入れについて、インボイスの保存がなくとも一定の事項を記載した帳簿の保存のみで仕入税額控除ができます。 これは取引先がインボイス発行事業者であるかどうかは関係なく、免税事業者であっても同様です(28改正法附則53の2、30改正令附則24の2)。 国税庁「少額特例(一定規模以下の事業者に対する事務負担の軽減措置)の概要」[1]

使えるのは誰か

どちらかを満たせば対象です。個人事業主やひとり法人であれば、多くの場合これに当てはまります。

この1億円は、控除限度額の1億円とは別物です。 金額が同じなので混同しがちですが、意味がまったく違います。
少額特例の1億円控除限度額の1億円
何の金額か自分の基準期間の課税売上高取引先1者ごとの課税仕入れの合計額
向きこれ以下なら使えるこれを超えた部分が使えない
効果1万円未満が全額控除超過部分に経過措置が不適用

1万円未満の判定

一回の取引の課税仕入れに係る金額(税込)で判定します。 一商品ごとではありません[1]。 1万円未満の商品を複数買って、その取引の合計が1万円以上になれば対象外です。

免税事業者からの1万円未満の仕入れ ― 控除率の推移

少額特例が効いている間は全額、終わったあとは経過措置の割合に落ちます。

2029年9月30日と、その翌日で大きく変わります。 同じ1万円未満の取引が、全額控除から50%になります。 少額特例は経過措置より2年早く終わるためです。 課税期間の途中であっても、2029年10月1日以後に行う課税仕入れは対象外になります[1]

経過措置とはどう違うか

少額特例経過措置(7・5・3割控除)
対象税込1万円未満の課税仕入れ免税事業者等からの課税仕入れ
控除できる割合全額80% → 70% → 50% → 30% → 0%
使える人基準期間1億円以下 等制限なし
終わる日2029年9月30日2031年9月30日
インボイスの保存不要必要(区分記載請求書等)

少額特例が使えるなら、そちらが優先されると考えてよい状況です(全額控除のほうが有利なため)。 1万円以上の取引や、少額特例が終わったあとは経過措置の話になります。

少額特例はインボイスの保存を不要にするもので、交付義務を免除するものではありません[1]。 インボイス発行事業者は、課税事業者から求められた場合には交付する必要があります。

よくある質問

相手が免税事業者でも100%控除できるのですか。
はい。国税庁は「取引先がインボイス発行事業者であるかどうかは関係なく、免税事業者であっても同様です」と明記しています。つまり税込1万円未満なら、経過措置の80%や70%ではなく全額控除できます。
1万円未満かどうかは商品ごとに見るのですか。
いいえ。一回の取引の課税仕入れに係る金額(税込)が1万円未満かどうかで判定します。一商品ごとではありません。1万円未満の商品を複数買って合計が超えれば対象外です。
対象者の1億円は、控除限度額の1億円と同じものですか。
まったく別のものです。少額特例の1億円は「自分の基準期間の課税売上高」で、適用できる人かどうかの条件。控除限度額の1億円は「取引先1者ごとの課税仕入れの合計額」で、経過措置が使えなくなる上限です。金額が同じなので混同しやすいところです。
インボイスをもらわなくてよいということですか。
仕入税額控除のためには保存が不要になります。ただし、これは保存を不要にするもので、交付義務を免除するものではありません。インボイス発行事業者は、課税事業者から求められたら交付する必要があります。

関連ページ

出典

本ページの数値はすべて以下の一次資料から取っています。リンクは該当ページに直接飛びます。

  1. 国税庁「少額特例(一定規模以下の事業者に対する事務負担の軽減措置)の概要」
    当サイト確認日:2026-09-16
  2. 国税庁「インボイス制度に関する令和8年度税制改正について」p.2 (2026-04 公表・2026-05 改訂)
    該当箇所:2 適格請求書発行事業者以外の者から行った課税仕入れに係る税額控除に関する経過措置の改正(7・5・3割控除)/その他の改正
    当サイト確認日:2026-09-15

本サイトは一般的な情報提供を目的としており、個別の税務相談ではありません。適用の可否は必ず国税庁の一次資料および税理士にご確認ください。

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