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家賃を口座振替で払っている。インボイスがないとどうなるか

事務所や店舗の家賃を口座振替で払っていると、請求書も領収書も出ません。この場合は契約書と通帳の組み合わせで保存要件を満たせます。1枚の書類に全部そろっている必要はありません。

請求書も領収書も出ない取引

契約書と通帳の
組み合わせで足ります

1枚の書類に全部そろっている必要はありません。 複数の書類を合わせて記載事項を満たせばよいとされています[1]。

根拠になっている一文

適格請求書として必要な記載事項は、一の書類だけで全てが記載されている必要はなく、複数の書類で記載事項を満たせば、それらの書類全体で適格請求書の記載事項を満たす 国税庁 インボイスQ&A 問95[1]

家賃のように、契約書に基づいて毎月自動で決済され、取引の都度は何も発行されない取引を想定した問答です。 事務所・店舗・駐車場・倉庫など、月々の固定費はたいていこの形です。

何を組み合わせて保存するか

国税庁が挙げている組み合わせ
払い方保存するもの
口座振替で家賃を払っている
  • 適格請求書の記載事項の一部が記載された契約書
  • 通帳(課税資産の譲渡等の年月日の事実を示すもの)
口座振込で家賃を払っている
  • 適格請求書の記載事項の一部が記載された契約書
  • 銀行が発行した振込金受取書
貸主がまとめて交付してくれる
  • 一定期間の賃借料についての適格請求書

通帳が担っているのは「課税資産の譲渡等の年月日」を示すことです。 契約書には金額や相手方、登録番号は書けても、実際にいつ支払ったかは書けないので、 そこを決済の記録で埋める、という構造になっています。

古い契約書でも巻き直さなくてよい

令和5年9月30日以前からの契約で登録番号等の記載が不足している場合は、別途その通知を受け、契約書とともに保存していれば差し支えない[1]。

つまり大家さんから登録番号を書いた紙を1枚もらって、契約書と一緒に保管すれば済みます。 契約書そのものを作り直す必要はありません。

見落としやすいのは「途中でやめられる」こと

取引の中途で貸主が適格請求書発行事業者でなくなる場合も想定され、その旨の連絡がない場合には借主はその事実を把握することは困難[1]。

毎月自動で引き落とされる取引では、相手の登録状況が変わっても気づく機会がありません。 登録が無くなっていれば、その後の支払いは原則として仕入税額控除ができず、 経過措置の割合に制限されます。 国税庁も公表サイトでの確認を促しています。

なお家賃が税込1万円未満であれば、 少額特例の対象になり、 相手が免税事業者でも全額控除できます(基準期間の課税売上高などの条件あり)。 その場合はこの保存の組み合わせを気にする必要がありません。

このページは国税庁の問答の整理です。契約の形や支払いの実態によって当てはまりが変わります。 金額が大きい場合や、契約書の記載が不十分な場合は、税理士にご確認ください。

よくある質問

大家さんから請求書も領収書ももらっていません。仕入税額控除できませんか。
できます。国税庁は「適格請求書として必要な記載事項は、一の書類だけで全てが記載されている必要はなく、複数の書類で記載事項を満たせば、それらの書類全体で適格請求書の記載事項を満たす」としています。契約書と通帳をセットで保存すれば要件を満たします。
契約書は令和5年より前のもので、登録番号が書いてありません。
契約を巻き直す必要はありません。登録番号など不足している事項について別途通知を受け、契約書とともに保存していれば差し支えないとされています。
振込で払っている場合はどうなりますか。
契約書とあわせて銀行が発行した振込金受取書を保存することで要件を満たします。通帳の記録ではなく、振込金受取書が挙げられています。
大家さんが途中で登録をやめていたら気づけますか。
気づけない可能性があります。国税庁も「その旨の連絡がない場合には借主はその事実を把握することは困難」と認めたうえで、公表サイトでの確認を促しています。登録番号の形式はこちらでまとめて確認できます(有効性は公表サイトで)。

関連ページ

出典

本ページの数値はすべて以下の一次資料から取っています。リンクは該当ページに直接飛びます。

  1. 国税庁「インボイスQ&A Ⅳ-2 請求書等の保存(問95 口座振替・口座振込による家賃の支払 ほか)」
    当サイト確認日:2026-10-29
  2. 国税庁「少額特例(一定規模以下の事業者に対する事務負担の軽減措置)の概要」
    当サイト確認日:2026-09-16

本サイトは一般的な情報提供を目的としており、個別の税務相談ではありません。適用の可否は必ず国税庁の一次資料および税理士にご確認ください。

法令基準日:2026年9月16日 ― 本ページが参照した官公庁資料を当サイトが最後に確認した日です。 以後の法令改正・資料改訂は反映されていない可能性があります。