簡易課税の届出期限:2割特例のあと、いつまでに出せばよいか
「前期末までに出さないと間に合わない」は、2割特例を使っていた人には当てはまりません。改正前から期限は翌課税期間中で、改正後は翌課税期間に係る確定申告期限まで延びました。
結論
翌課税期間に係る
確定申告期限まで
2割特例・3割特例を使った事業者の届出期限です[1]。 よく見る「前課税期間の末日まで」は別の規定で、あなたには当てはまりません。 前期末を過ぎていても、まだ間に合います。
立場によって期限が3通りある
ここを取り違えると、期限を1年以上早く見積もることになります。
| 誰に | 期限 | 根拠 |
|---|---|---|
| 2割特例・3割特例を使った人 (改正後・いま適用されるもの) | 翌課税期間に係る確定申告期限まで | 令和8年度税制改正[1] |
| 同上(改正前) | 翌課税期間中(その末日まで) | 平成28年改正法附則51の2⑤[2] |
| どちらの特例も使っていない人 | 翌課税期間の初日の前日まで | 消費税法37条1項(一般原則) |
改正後の規定は、翌課税期間が2026年10月1日以後に終了する場合に適用されます[1]。 2割特例の適用を受けた人にも同様の措置が及びます[3]。
法人:決算月別の期限
| 決算月 | 簡易課税を使いたい課税期間 | 改正後の期限 | 改正前(翌期末日) | 一般原則と誤解した場合 | 誤解との差 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1月 | 2027/2/1〜2028/1/31 | 2028/3/31 | 2028/1/31 | 2027/1/31 | 425日早い |
| 2月 | 2027/3/1〜2028/2/29 | 2028/5/1 ※休日順延 | 2028/2/29 | 2027/2/28 | 428日早い |
| 3月 | 2027/4/1〜2028/3/31 | 2028/5/31 | 2028/3/31 | 2027/3/31 | 427日早い |
| 4月 | 2027/5/1〜2028/4/30 | 2028/6/30 | 2028/4/30 | 2027/4/30 | 427日早い |
| 5月 | 2027/6/1〜2028/5/31 | 2028/7/31 | 2028/5/31 | 2027/5/31 | 427日早い |
| 6月 | 2027/7/1〜2028/6/30 | 2028/8/31 | 2028/6/30 | 2027/6/30 | 428日早い |
| 7月 | 2027/8/1〜2028/7/31 | 2028/10/2 ※休日順延 | 2028/7/31 | 2027/7/31 | 429日早い |
| 8月 | 2027/9/1〜2028/8/31 | 2028/10/31 | 2028/8/31 | 2027/8/31 | 427日早い |
| 9月 | 2026/10/1〜2027/9/30 | 2027/11/30 | 2027/9/30 | 2026/9/30 | 426日早い |
| 10月 | 2026/11/1〜2027/10/31 | 2028/1/4 ※休日順延 | 2027/10/31 | 2026/10/31 | 430日早い |
| 11月 | 2026/12/1〜2027/11/30 | 2028/1/31 | 2027/11/30 | 2026/11/30 | 427日早い |
| 12月 | 2027/1/1〜2027/12/31 | 2028/2/29 | 2027/12/31 | 2026/12/31 | 425日早い |
右2列が本題です。一般原則だと思い込むと期限を400日以上早く見積もり、 「前期末を過ぎたから無理だ」と一般課税のまま申告してしまう。これがいちばん損の大きい間違いです。
個人事業者:年分別の期限
| 簡易課税を使いたい年分 | 改正後の期限 | 改正前(その年の末日) | 一般原則と誤解した場合 |
|---|---|---|---|
| 令和9年分(2027年) | 2028/3/31 | 2027/12/31 | 2026/12/31 |
| 令和10年分(2028年) | 2029/4/2 ※休日順延 | 2028/12/31 | 2027/12/31 |
| 令和11年分(2029年) | 2030/4/1 ※休日順延 | 2029/12/31 | 2028/12/31 |
| 令和12年分(2030年) | 2031/3/31 | 2030/12/31 | 2029/12/31 |
休日にあたるとどうなるか(規定ごとに扱いが違います)
- 改正後の期限は順延します。確定申告期限に紐づくためです。 日曜日・国民の祝日に関する法律に規定する休日・その他一般の休日・土曜日・12月29日・30日・31日にあたる場合は、その翌日が期限です[5]。 1月2日と3日も「一般の休日」に含まれます[4]。
- 改正前の「翌課税期間中」と一般原則の「初日の前日」は、課税期間そのもので画された期限です。 本表では順延させていません。 (この当てはめは当サイトの解釈です。国税庁が届出書の提出期限について明示した資料は見つけられていません。)
順延が起きるのは 2月・7月・10月決算 の3つだけです。 とくに10月決算は、本来の期限 2027/12/31 が年末にあたり、 元日・1月2日・1月3日を越えて 2028/1/4 になります。
本表は申告期限の延長特例(消費税法45条の2第1項)を受けていない場合の日付です[5]。
よくある質問
前の課税期間の末日を過ぎてしまいました。もう簡易課税は使えませんか。
「前課税期間の末日まで」という説明を見たのですが。
改正でどれくらい延びたのですか。
簡易課税を選んだら、すぐやめられますか。
関連ページ
出典
本ページの数値はすべて以下の一次資料から取っています。リンクは該当ページに直接飛びます。
- 国税庁「インボイス制度に関する令和8年度税制改正について」p.1 (2026-04 公表・2026-05 改訂)
該当箇所:1 小規模個人事業者に係る税額控除に関する経過措置(3割特例)/簡易課税制度選択届出書の提出期限の特例の見直し
当サイト確認日:2026-09-15 - 国税庁「2割特例(インボイス発行事業者となる小規模事業者に対する負担軽減措置)の概要」
当サイト確認日:2026-09-15 - 財務省「令和8年度税制改正の大綱(4/9)二 消費税 2 適格請求書等保存方式に係る経過措置の見直し」
当サイト確認日:2026-09-15 - 国税庁「国税通則法基本通達 第10条関係 期間の計算及び期限の特例」
当サイト確認日:2026-09-15 - 国税庁「インボイス制度に関するQ&A 問117-3(3割特例を適用するよりも簡易課税制度を適用した方が納付税額が少なくなる場合)【令和8年4月追加】」
当サイト確認日:2026-09-15
本サイトは一般的な情報提供を目的としており、個別の税務相談ではありません。適用の可否は必ず国税庁の一次資料および税理士にご確認ください。
法令基準日:2026年9月15日 ― 本ページが参照した官公庁資料を当サイトが最後に確認した日です。 以後の法令改正・資料改訂は反映されていない可能性があります。