3割特例と簡易課税はどちらが有利か(業種別の早見表)
3割特例は売上税額の30%を納付。簡易課税の納付率は業種で10〜60%です。第1種・第2種なら簡易課税が有利、第3種は同じ、第4種以降は3割特例が有利になります。
売上税額 800,000円(課税売上高 × 10%)に対して
簡易課税
160,000円
売上税額の 20%
3割特例
240,000円
売上税額の 30%
簡易課税のほうが 80,000円 少なくなります。
標準税率10%・税抜の課税売上高のみを前提にした概算です。軽減税率の売上がある場合や 2種類以上の事業を営む場合は、区分ごとの計算が必要です。
仕組みは単純です
つまりみなし仕入率が70%より高ければ簡易課税が有利、低ければ3割特例が有利です。それだけです。
業種別の有利判定(全一覧)
| 事業区分 | みなし仕入率 | 簡易課税の納付率 | 簡易課税の納付額 | 3割特例の納付額 | 判定 |
|---|---|---|---|---|---|
| 第1種事業 | 90% | 10% | 100,000円 | 300,000円 | 簡易課税が有利 差 200,000円 |
| 第2種事業 | 80% | 20% | 200,000円 | 300,000円 | 簡易課税が有利 差 100,000円 |
| 第3種事業 | 70% | 30% | 300,000円 | 300,000円 | どちらも同じ |
| 第4種事業 | 60% | 40% | 400,000円 | 300,000円 | 3割特例が有利 差 100,000円 |
| 第5種事業 | 50% | 50% | 500,000円 | 300,000円 | 3割特例が有利 差 200,000円 |
| 第6種事業 | 40% | 60% | 600,000円 | 300,000円 | 3割特例が有利 差 300,000円 |
納付率は売上税額に対する割合なので、売上税額がいくらでも判定は変わりません。 上の金額は差の大きさを実感するための例です。
自分がどの事業区分か
| 事業区分 | 該当する事業 |
|---|---|
| 第1種事業 みなし90% | 卸売業(他の者から購入した商品をその性質、形状を変更しないで他の事業者に対して販売する事業) |
| 第2種事業 みなし80% | 小売業(他の者から購入した商品をその性質、形状を変更しないで販売する事業で第1種事業以外のもの)、農業・林業・漁業(飲食料品の譲渡に係る事業) |
| 第3種事業 みなし70% | 農業・林業・漁業(飲食料品の譲渡に係る事業を除く)、鉱業、建設業、製造業(製造小売業を含む)、電気業、ガス業、熱供給業および水道業。第1種・第2種に該当するものおよび加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供を除く |
| 第4種事業 みなし60% | 第1種・第2種・第3種・第5種・第6種以外の事業。具体的には飲食店業など。第3種から除かれる加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供もここ |
| 第5種事業 みなし50% | 運輸通信業、金融・保険業、サービス業(飲食店業に該当する事業を除く)。第1種から第3種までに該当する事業を除く |
| 第6種事業 みなし40% | 不動産業 |
定義は国税庁の記載をそのまま載せています[2]。 2種類以上の事業を営んでいる場合は区分ごとの計算が必要で、区分していない部分には そのうち最も低いみなし仕入率が適用されます。
納付額以外に考えること
| 3割特例 | 簡易課税 | |
|---|---|---|
| 対象 | 個人事業者のみ | 個人・法人 |
| 対象期間 | 令和9年分・令和10年分 | 制限なし |
| 事前届出 | 不要(申告書に付記) | 必要 |
| 継続適用の縛り | なし | 2年間 |
| 売上規模の要件 | ― | 基準期間の課税売上高 5,000万円以下 |
| 還付 | 通常なし | 通常なし |
| 事業区分の判定 | 不要 | 必要 |
納付額が同じ第3種事業なら、手続が軽く縛りのない3割特例のほうが身軽です。 逆に第1種・第2種は差が大きいので、届出期限を確認して簡易課税に切り替える価値があります。
よくある質問
3割特例と簡易課税は、どちらか選べるのですか。
どうして第3種は「同じ」になるのですか。
設備投資が多い年はどうすればよいですか。
法人でも3割特例は使えますか。
関連ページ
出典
本ページの数値はすべて以下の一次資料から取っています。リンクは該当ページに直接飛びます。
- 国税庁「インボイス制度に関する令和8年度税制改正について」p.1 (2026-04 公表・2026-05 改訂)
該当箇所:1 小規模個人事業者に係る税額控除に関する経過措置(3割特例)/簡易課税制度選択届出書の提出期限の特例の見直し
当サイト確認日:2026-09-15 - 国税庁「インボイス制度に関するQ&A 問117-3(3割特例を適用するよりも簡易課税制度を適用した方が納付税額が少なくなる場合)【令和8年4月追加】」
当サイト確認日:2026-09-15
本サイトは一般的な情報提供を目的としており、個別の税務相談ではありません。適用の可否は必ず国税庁の一次資料および税理士にご確認ください。
法令基準日:2026年9月15日 ― 本ページが参照した官公庁資料を当サイトが最後に確認した日です。 以後の法令改正・資料改訂は反映されていない可能性があります。